森本隼太さん(学生会員・2020特級銀賞)が英ヘイスティングス国際コンで優勝
イギリスのヘイスティングスで、2月24日から開催されていた「ヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクール HASTINGS INTERNATIONAL PIANO CONCERTO COMPETITION」において、現地3/4(金)5(土)の2日間にわたり6名によるファイナル(オーケストラ伴奏によるピアノ協奏曲審査)が行われ、日本の森本隼太さん(ピティナ学生会員、2020特級銀賞・聴衆賞、2017福田靖子賞選考会第1位)が、第1位を受賞しました。
森本さんは2004年生まれの17歳。学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校及びサンタ・チェチーリア音楽院(イタリア)在学中。ファイナルでは、イギリスの名門オーケストラ、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、シューマンのピアノ協奏曲 イ短調を演奏して喝采を浴びました。同コンクールでの日本人優勝者は、2010年の三木美和子、前回2019年の小井土文哉に続いて、3人目。
第3位 Mariamna Sherling, Russia
第4位 Aleksandr Kliuchko, Russia
第5位 Fedor Orlov, Russia
第6位 Sandro Nebieridze, Georgia
Hastingsに2週間滞在し、とても有意義な時間を過ごしました。コンクールは地域との繋がりが非常に強く、ホストファミリーとの交流をはじめ、コンクールに携わっているボランティアの方々との交流も楽しみました。セミファイナルラウンドまで、Hastingsでピアノがあるお宅で練習をして、その家までも毎回ボランティアの方々がドライブしてくださいます。地域の親切な方々との交流を体験できることがこのコンクールの魅力だと思います。
セミファイナルとファイナルで2回オーケストラと共演できたことも光栄でした。ソリストとして演奏するというより、室内楽的に、共に演奏することを心がけて勉強したので、リハーサルや指揮者との打ち合わせでそれぞれの楽器とのアンサンブルを具体的に計画できました。特にファイナルでロイヤルフィルと演奏した時には素晴らしいオーケストラと一体になったと感じ、深く感動しながら演奏できました。この経験を活かしてこれからさらに共に演奏する力を高めていきたいです。
いつも支えてくださる全ての人に感謝しています。これからもいっそう頑張っていきます。
森本隼太
シュンタは、美しい街・京都の【美】のもとに生まれました。その美意識が彼の音楽の中に流れ込んでいます。【平和】【友好】そして【思いやり】は彼の人間性の本質であり、【勤勉】は、彼が教わってきた倫理観と規律の賜物です。彼の奏でる音で【愛】を感じられない音はひとつもありません。なんて素敵なひとなのでしょう!
ウィリアム・グラント・ナボレ2022年には、東京でのソロリサイタル、大阪でのピアノ協奏曲のほか、ローマ、ロンドン、ドイツなどでの演奏会に招待されている。
ヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクールは、イギリス南東部イースト・サセックスのヘイスティングスで開催されている。そのルーツは100年以上前から開催されているヘイスティングス国際音楽祭の教育プログラムにさかのぼり、長い歴史を持っていたが、一時期中断された後、「ピアノ協奏曲コンクール」としてよみがえった。通常の国際ピアノコンクールよりも多くのピアノ協奏曲を演奏することができることが特徴の同コンクールは、2019年まで毎年開催された後、2021年から隔年開催されることが決まっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2022年に延期されていた。過去には日本から、2010年の三木美和子(第1位)、2017年の黒岩航紀(第4位)、2019年の小井土文哉(第1位)が入賞しており、それに続く快挙。
2021年10月に締め切られた今回は、40か国から360名の応募が集まり、予備審査の結果、45名の通過者が2022年2月~3月に行われる本大会に進出していた。本大会には39名が集い、1次予選(ピアノ伴奏により、A群・B群の指定課題から1曲ずつの協奏曲、一部分ずつを演奏)、2次予選(ソロリサイタル)、セミファイナル(オーケストラとの協奏曲A群選択曲)を経て、ファイナル(オーケストラとの協奏曲B群選択曲)に進む6名が発表されていた。審査員は、ヴァネッサ・ラターシュ氏(英国王立音楽大学ピアノ科主任教授)を審査委員長とし、ポール・ヒューズ氏(BBC交響楽団ディレクター)スタニスラフ・ユデニッチ氏(ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝者)など計7名が務めた。
2019年 | 小井土文哉(第1位) |
2017年 | 黒岩航紀(第4位) |
2010年 | 三木美和子(第1位) |