山﨑亮汰さん(2014グランプリ・演奏会員)がブゾーニ国際ピアノコンクールで3位入賞
イタリア・ボルツァーノで開催されていた「第64回フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノコンクール」において、現地9月3日(日)、グランド・フィナーレ(本選、オーケストラ伴奏によるピアノ協奏曲審査)が行われ、日本の山﨑亮汰(やまざき・りょうた)さんが第3位入賞、あわせて、ジュニア審査員特別賞も受賞した。同コンクールでの直近の日本人入賞者は、2019年の桑原志織さん(第2位)と2013年の崎谷明弘さん(第3位)など実績がある。
山﨑さんは1998年生まれ、福島県郡山市出身の24歳。現在は、アメリカ・ロサンゼルスのコルバーン音楽院に在籍している。2014年に「第38回ピティナ・ピアノコンペティション特級」で、史上最年少タイの15歳(高校1年生)でグランプリを受賞したほか、2012年のジーナ・バッカウアー国際ジュニアピアノコンクール(アメリカ)、2016年クーパー国際コンクール(アメリカ)など有数のコンクールで日本人として初優勝を飾り、早くから注目を集めてきた。
今回のファイナルでは3人のファイナリストの3番目に登場し、チャイコフスキー作曲のピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23を演奏した。
第2位 Anthony Ratinov アンソニー・ラティノフ
第3位 Ryota Yamazaki 山﨑亮汰
第4位 Antonio Chen Guang
第5位 Ron Maxim Huang
第6位 Zitong Wang
フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノコンクールは、イタリア生まれの作曲家・ピアニスト、フェルッチョ・ブゾーニの没後25周年を記念して1949年に始まった世界的なピアノコンクールのひとつ。第1回の第4位にアルフレート・ブレンデルが、第9回(1957年)第1位にマルタ・アルゲリッチが入賞するなど、世界的なピアニストを数多く輩出してきた。
同コンクールピアノ部門日本人優勝者は初めて。近年の日本人入賞者には、桑原志織(2019年第2位)、崎谷明弘(2013年第3位(1位なし))、松本和将(2001年第4位)、木村綾子(2000年第3位タイ、1~2位なし)、鈴木弘尚(2000年第6位、1~2位なし)、奈良希愛(1999年第6位)らがいる。また、1位なしの第2位(最高位)の例はあった。また、山﨑亮汰さんが現在アメリカで指導を受けているピアニストのファビオ・ビディーニ氏も、1992年の第2位入賞者であり、師弟での嬉しい入賞となった。
同コンクールは、隔年で「予選(プレ・セレクション)」と「本選(本審査)」を交互に行う方式を2004~2005年シーズンから採用している。プレ・セレクションは、ビデオ審査と、「Glocal Piano Project」と改称された世界各地での動画収録会の2段階からなる。今回、600名近いビデオ審査への応募を経て、110名が2022年11月の動画収録に参加し、35名が選出されていた。
2023年8月23日から始まった今年の本審査には、棄権者4名を除く31名が集結。8月23~25日に「ソロ・セミファイナル」、26~27日に「ソロ・ファイナル」、29~31日に「室内楽ファイナル」(ソロ演奏+弦楽四重奏団とのピアノ五重奏曲)を経て、9月3日の「グランド・フィナーレ」(オーケストラとのピアノ協奏曲)が行われた。ソロ・セミファイナルでブゾーニが作曲した作品、ソロ・ファイナルでJ.S.バッハの作品をブゾーニがピアノ用に編曲した作品が課題曲に含まれる。審査員には、世界的に活躍する名ピアニスト・教授や同コンクールの入賞者など名だたる音楽家が名を連ねているが、若いピアニストも積極的に登用してユニークな審査員団を構成することでも知られる。