黒田亜樹さんが日本-アルバニアの友好100 周年コンサートに出演

2022年は日本とアルバニアの友好 100 周年を迎えます。

それを記念し、2022年10月に日本文化週間の一環としてティラナ国立オペラ劇場にて開催されたコンサート「日本のクラシック音楽」に、黒田亜樹さん(ピティナ理事)が出演されました。黒田さんはバッハのピアノ協奏曲を演奏され、同コンサートにてゲスト指揮者として出演された杉山洋一さんは伊福部昭作曲「日本組曲」を披露。反響は大きく、現地メディアの取材もあり、会場からは大きな拍手が響きました。

黒田さんからのレポートをお届けいたします。

黒田亜樹さんからの現地レポート

去る10月、日本・アルバニア友好100周年にあたり、アルバニア日本大使館およびアルバニア文化省の開催する日本文化週間にお招きいただきました。ベルリン在住のチェリストの水谷川優子さんとのデュオリサイタルに始まり、国立劇場オーケストラとの共演、さらにはアルバニア国立芸術大学でのマスターコースの講師、と盛りだくさんのイベントに関わらせていただきました。リサイタルでは水谷川さんの御祖父であり、日本のオーケストラの父と言われる近衞秀麿氏の作品と、近衛氏と親交のあったリヒャルト・シュトラウスの作品を並べ、さらに「アルバニア音楽の父」と言われる作曲家、ザデヤの作品も演奏いたしました。

国立劇場のオーケストラとのバッハのコンチェルトの共演も大変感動的な一夜になりました。事前にアルバニア語の辞書を購入したものの、発音が独特で片言さえ全く習得できませんでしたが、共演させていただいた指揮のエドモンド・ドコ氏も楽団員もイタリア語を流暢に話されるので、リハーサルから大変楽しく交流することができました。

アルバニアは戦後長らく鎖国状態であったため、「欧州の秘境」とも言われていますが、想像を超える壮大な自然や素朴で暖かい人々、美味しい郷土料理に感激しました。今も貧困問題や海外への不正な渡航が後を立たないとも聞きますが、マスターコースの後に熱心に質問に来る学生さんや先生方がとても印象的でした。

色々な緊張を伴う世界情勢の中、国境をこえての交流はますます困難になっていますが、アルバニア文化大臣とアルバニア日本大使が、演奏会後に強く握手をされている様子には本当に心動かされました。音楽を通じてこれからもささやかながら各国の方々と友好を重ねてゆきたいと思います。

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