「続ける力」が人生を拓く

ピアノを続けることで、子どもたちは何を得るのでしょうか。それは、演奏技術だけではありません。困難を乗り越える力、目標に向かって努力する姿勢、そして自分を信じる心――。コンプリート賞や継続表彰といった取り組みを通じて私たちが育みたいのは、しなやかな人間力です。受賞者や指導者の声とともに、「継続」がもたらす豊かな学びをお届けします。
表彰式レポート
ソロ部門A1級からF級まで、全ての級にコンプリート参加された方を表彰する「A1~F級コンプリート賞」。
A1級から各級に2年間ずつ挑戦し続けた場合、F級に到達するまでにはおよそ11年を要します。
グラフは、2015年にA1級に参加した人が、その後どの級まで継続してコンプリート参加しているかを級別に示したものです。F級まで参加した人は、A1級に参加していた人のおよそ4%にとどまり、長期的に挑戦を続けてきたことを示す非常に希少な存在であることがわかります。
2025年度の受賞者は144名。うち32名が出席した表彰式の様子と、受賞したみなさまの声を紹介します。
- 2015年A1級スタート者ベース

表彰式に先立ち、コンプリート賞受賞者を輩出した9名の指導者が集いました。コンプリート賞を目標にピアノを再開したり、次の目標として23ステップのコンプリートに挑戦したりといったエピソード、指導の指針としてのコンペ課題曲の活用、本人だけでなく指導者や保護者も長期的な目線を持つことの大切さなど、活発な意見交換がなされました。

ピティナのステージをはじめ、ピアノ学習の履歴を記録できるピティナ・パスポート。パスポートに残された学習の軌跡をインタビューで掘り下げました。

ステージに立つ原動力として、誰もが目指せる目標が「継続表彰」です。ステップに参加したことがなくても、コンペや提携コンクールに参加経験がある方なら、あと1歩で手が届くかもしれません。
一方で、2024年度の継続表彰受賞者の割合は全体の21.5%。最も身近な5回表彰でも全体のわずか9.78%です。継続を形にできるのは決して当たり前ではないということが分かります。
継続表彰報告書・授与証明書の活用についても、参加者の皆様からお寄せいただいた声でご紹介します。


ステージポイントの仕組みとピアノ曲事典のデータベースを組み合わせた、作品に関する初めてのコンプリート賞です。旋律と和声のすべてを学べ、バッハ以後のあらゆるピアノ曲を学ぶ基礎となるインベンション・シンフォニア。ピアノを長く続けるための基礎力を身に着ける機会としてぜひ挑戦してみてください。
